動脈硬化

動脈硬化とは

動脈硬化症は、体内の動脈 (動脈は血液を心臓から全身に送り届ける血管です)の内部にプラークと呼ばれる脂肪沈着が蓄積する状態です。
動脈内側のプラークが増えて血管内腔が狭くなり血液の流れが阻害される(血管が詰まる)ことで心臓や脳など臓器への血液供給が減少します
動脈硬化症は、心臓発作(狭心症や心筋梗塞)または脳卒中(脳梗塞)など、さまざまな病気を引き起こす原因です。

動脈硬化のメカニズム

動脈硬化症によって引き起こされる病気

動脈硬化は全身の動脈に影響を及ぼします。どの臓器の動脈に動脈硬化が進行するかによって引き起こされる病気が異なります。

1. 頚動脈疾患

脳に血液を運ぶ頸動脈に作用する動脈硬化症です。この形態の動脈硬化症は脳卒中を引き起こす可能性があります。

2. 冠動脈性心疾患(冠動脈疾患)

心筋に血液を運ぶ冠動脈に影響する動脈硬化症です。この動脈硬化症は、胸痛を生じ心臓発作狭心症心筋梗塞)を引き起こします。

3. 腎動脈狭窄症

腎臓に血液を運ぶ腎動脈におきる動脈硬化症です。この形態の動脈硬化症は、高血圧を引き起こしたり腎機能障害(慢性腎臓病〈CKD〉など)を引き起こす可能性があります。

4. 末梢動脈疾患

上肢(腕・手)と下肢(脚・足)に血液を運ぶ動脈に影響を及ぼす動脈硬化症です。特に下肢に生じることが多く、この状態の人は、歩くときに筋肉の痛みこわばり(いわゆるこむら返り)などの症状が出ることがあります。進行すると足の切断など重大な結果を引き起こす可能性があります。

動脈硬化Q&A

Q. 動脈硬化症は、心筋梗塞や脳梗塞、ほかの病気をどのように引き起こすのですか?
A.

動脈硬化症関連のプラークは、下記の2つのメカニズムで病気を引き起こす可能性があります。

  1. プラークが大きくなり血管内腔が徐々に狭くなることで、特定の臓器への血流を減少させることがあります。これを「虚血=血液が足りない状態」と呼びます。
    これにより十分な血液が得られていない体の部分(臓器)に症状(痛みや冷感など)を引き起こす可能性があります。
  2. プラークに穴が開いたり破けたりすることがあります。それが起こると、破けたプラークに血栓(固まった血液)が形成され急速に大きくなって、ついには血管を完全に塞いでしまい臓器への血液供給が完全に遮断されます。これによって脳梗塞や心筋梗塞が引き起こされます。

1.のメカニズムによる病気(末梢動脈疾患腎動脈狭窄症)は徐々に進行しますが、2.のメカニズムによる病気(心筋梗塞脳梗塞)は突然何の前触れもなく起きることがあります。

動脈硬化のメカニズム

Q. どの様な人に動脈硬化症のリスクがあるのですか?

動脈硬化症を発症する確率が高いのは以下のような病気がある人です。

  • 脂質異常症(特に高LDL-C)
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 喫煙

また、以下のような人もリスクが高くなります。

  • 不健康な食事をしている
  • 過体重であるか、または身体活動がほとんどない(日中ほとんど座って過ごし移動は自動車が中心 など)
  • 50歳までに動脈硬化症を発症した母親や父親がいる
Q. 検査は必要ですか?
A.

患者さんが無症状の場合、一般的に医師は動脈硬化症を診断するための特定の検査を行いません。
患者さんが冠動脈性心疾患末梢動脈疾患のような動脈硬化によって引き起こされる病気を有すると考えられるかどうかを調べます。
これらの条件のそれぞれについての検査は全く異なっています。

動脈硬化症に罹患している可能性のある人でよく行われる一般的な検査は脂質プロファイルと呼ばれます。これはさまざまな種類の脂肪とコレステロールの量を測定する血液検査です。

Q. 動脈硬化症に起因する病気を予防することができますか?

A. はい。心筋梗塞、脳梗塞、または動脈硬化に関連するほかの病気が発生する可能性を減らすには、次のようにします。

  • 高血圧、高コレステロール、糖尿病をしっかりと管理・治療するために、医師が処方するお薬を服用してください。
  • 体重を減らす(太りすぎの場合)
  • 果物(糖尿病の方は注意が必要です)、野菜、低糖質の食事を選んでください。甘いものや穀物(ご飯・麺類・パンなど)を控えましょう。
  • できるだけ毎日、少なくとも30分間は何か身体活動を行いましょう。身体活動は、30分連続して行う必要はありません。なるべく立ち上がり、歩きましょう。
  • 禁煙
  • お酒の量を節制しましょう。